《この世に紛れ込む “しかばね”達》

しかばね達は時々人々の前に姿を現す

未練があるのか

この世の様子が気になるのか

 

あるいは

この世の者達が

彼らの領域に迷い込んでしまったのかもしれない

 

事の真偽は定かでないが

古来から しかばねの存在は伝承され

各地にその痕跡が残されている

 

時にはどさくさに紛れ

生きている人々と一緒に騒いでいることもある

生者も死者も問わず

共にこの世のひとときを楽しむ

なんともあっぱれではないだろうか

《鯰へのこらしめ:無款》